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2007/レポート2
(取材報告)

開進第三中学校 開進第三小・中学校避難拠点運営連絡会 5町会地域 震災対応合同防災訓練
6月23日12時30分〜16時00分

 2007年6月23日、開進第三中学校を中心とした地域において、地域と学校が一体となった総合的な防災訓練が行われました。参加者は見学を含め1000名近くにもおよびました。
 訓練は、開進第三中学校での全体説明会で始まり、生徒たちは7〜30人超の18グループにわかれて地域に入って訓練に取組みました。
 訓練の概略については、区ホームページのできごと(6月23日)に紹介されていますので、そちらとあわせてご覧ください。

開進第三中を中心に、多くの訓練場所にわかれて
各種、訓練が行われました。
 >>右図を大きく 

◆ 参加(共催):
開進第三中学校、同PTA、開進第三小学校、同PTA、桜台1丁目町会、桜台2・3丁目町会、桜台親和町会、桜台6丁目団地自治会、栄町町会、各町会自治会防災会・レスキュー隊、開進第三中避難拠点運営連絡会、開進第三小避難拠点運営連絡会
◆ 協力:
練馬消防署、練馬警察署、練馬消防団第2・第5分団(桜台栄町地区民生委員協議会)、練馬区防災課

◆ 訓練目的:

  1. 生徒の地域防災意識の向上と、防災資機材操作技術の習得
    地域防災活動の担い手の育成
  2. 参加町会自治会地域における震災対応態勢の整備・地域防災力の向上
  3. 避難拠点を含む地域全体としての基本的震災対応手順の作出と共有化
 まず、開進第三中学校で説明会が行われました( )。その後、生徒たちは訓練に応じて7〜30人超の18グループにわかれて地域(第一次避難(訓練)場所)に入り住民たちと合流します( )。
 この地域では、大地震の直後、第一次避難(訓練)場所にご近所の方が自宅に置いてある消火器をもって集まり、地域を見回り、住民の安否を確認するとともに、状況に応じて初期消火や救出活動を行うことにしています。
 訓練では、まず、その流れの確認を行いました。町会の担当エリアごとに、生徒と住民は「火災」や「家屋倒壊」の被害現場標識「赤(火災・家屋倒壊生き埋め)」、「青(家屋倒壊)」を探してまわります。該当の被害現場標識を見つけると、住所、名前、被災内容を「被災現場情報カード」に書き込み、第一次避難場所に持ち帰ります。持ち寄られたカードは、もう一枚のカードに同じ内容を転記し、そのうちの1枚を避難拠点に伝令としてもっていきます。その他の人は、集まった消火器をもって火災現場などへ向かいます(今回の訓練では、全部で175本(1カ所につき、5〜22本)の消火器が持ち寄られました)。
全体の説明会のようす
生徒たちは小グループにわかれて、第一次避難場所へ
各戸から集められた消火器(名前入り)
担当区域の安全を確認するために3グループにわかれて巡回
「火災発生」現場を発見
住所、氏名などを「被災現場情報カード」に書き込む
情報を持ち寄る(町会本部に伝令を出す)
集めた消火器を火災現場へ(本番では消火活動も)
 最寄りの第二次訓練場所( )に移動し、水利に応じた消火訓練、ケガ人の担架搬送訓練等を行いました。また、重機(小型ユンボ)を載せたトラックを白バイが前後をはさんで誘導するといった救出重機部隊誘導訓練も行われました。
水消火器を使用した消火訓練
タイプが違う担架を試す(写真は4人で担ぐタイプ)
白バイが重機を載せたトラックを選導する訓練
学校までケガ人を搬送
 開進第三中学校では、 アルファ米を使ったカレーライスの炊出し訓練のほか、ローテーションで、応急手当の仕方を学んだり、粉末・液体消火器を使った消火訓練、炊出しやお湯をわかすためのバーナー操作、発電機操作訓練などが行われました( )。その後、カレーを食べて、閉会式となりました。
バーナーの火をつけてみる。意外に怖くない?
発電機を動くとライトがつく、コツがいるかな
三角巾を利用した止血方法などを学ぶ
実際の火を使って訓練。火との距離感が難しい?
炊出しの火は暑くて大変でした。お疲れさま♪
みんなのためのカレーライスが完成!

【感 想】
 炎天下のなか、とても充実した訓練となりました。生徒の皆さん、関係者の皆さん、本当にお疲れさまでした。特に火を使う作業は大変でした。
 この訓練は2年目となりますが、関わる方が多いため事前の打ち合わせを何度も重ねて本番にいたるとのこと。でも、その打ち合わせの過程こそが、地域の力をより一層、強くしていっているという様子が垣間見えます。
 中学生は、大地震のとき、まず自分と家族の身の安全を確保することが必要になりますが、いざ災害では、手伝いを期待したくなる存在でもあります。地震が起きる時間帯にもよりますが、地域に分散して住んでいる生徒の皆さんが、まず自らと家族の生命を守ったあと、危険から自らの身を守りながら周りの状況に応じた行動ができるとしたら、それは、とても理想的です。生徒の皆さんが大学生、社会人になっても、そうした経験は必ずいきてきます。そうした意味でも、今回、生徒の皆さんの動きを頼もしく拝見しました。
 また、個々の生徒やPTAの皆さんが住んでいる地域や通学路にあたる区域で、 の訓練にのぞめたら、さらに可能性が広がるのかなと、感じました。訓練区域外にお住まいの生徒さんも多数、いらっしゃると思いますが、ふだんの生活圏で訓練をしてご近所の皆さんと顔見知りになることができれば、防災のみならず、ふだんの防犯などにも大きな力となります。今回のような訓練は、日々の生活のなかで、ご近所どうしが世代、学年を超えて顔見知りになる良い機会になると思われます。
 実際にグループ分けをするとしたら、学年を超えた人数の調整など、困難な作業と想像されますが、可能であれば、ご一考いただけるとうれしいところです。

レポーター
秋山 真理(ねりま減災どっとこむ)

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